【薬剤師向け】疑義照会のルール

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みなさんこんにちは!りつです!

1月は当ブログの更新ができず申し訳ありませんでした。

改めまして、新年あけましておめでとうございます。

今年も健康で、実りのある年にしていきたいですね。

さて今回は「疑義照会」についてのお話になります。

 

目次

疑義照会

まず疑義照会とは薬剤師法で定められた、薬剤師の義務です。

薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。

薬剤師法第二十四条(処方箋中の疑義)より

薬剤師であれば何度も見た条文かと思います。

薬は他の薬との重複・相互作用、副作用、肝・腎機能、年齢・体重などを考慮して薬剤・用法用量を決める必要があるため、ここが薬剤師の腕の見せ所と言えます。

ただし、現実的には疑義照会は形式的な処方不備によるものが大半を占めるかと思います。

 

形式的な処方不備の例

  • 湿布剤の使用部位・処方日数の記載漏れ
  • トローチ剤・坐剤などの1回量の記載漏れ
  • 頓服処方なのに1回量が全量での記載(例:ロキソニン錠60㎎ 10錠 疼痛時)

その他

  • 漫然処方の注意書きがされている薬の長期処方(シナールなど)
  • 処方日数制限のある薬(PPI・P-CAB、ネイリンなど)

 

また医師が経験上・ガイドライン上よく使われるような処方でも、添付文書上では適応外となるような処方についても疑義照会を行わなくてはいけません。

※公知申請が通っている薬を除く

例:オグサワ処方、慢性副鼻腔炎に対するクラリスロマイシン少量投与(分1)処方など

地域差もあるかと思いますが、私の住む地域では支払基金の独自のルールもあるため、他よりも審査が厳しい項目もあると思います。

 

疑義照会の相手

疑義照会をする際、直接電話をする相手は病院によって異なりますが、

①処方医 ②病院薬剤師 ③外来の看護師

この3パターンになるかと思います。

②、③の場合も照会内容は最終的に処方医に伝わるかと思います。

当薬局では門前病院は③、他の病院は①のパターンが多いです。

それぞれに良い点・悪い点はありますね。

場所・人に左右される部分なので一概には言えないですが、私の体感では以下のような感じです。

 

処方医薬剤師看護師
患者さんを待たせる時間短い長くなりやすい長くなりやすい
説明のしやすさ
(薬物相互作用などによる疑義照会の場合)
やや楽少し大変
出荷調整品などに対するご理解ないことが多いありなし
処方意図教えてもらえる教えてもらえることがあるあまり教えてもらえない

 

特に医師では、出荷調整などで入手困難の薬に対するご理解はあまりないですね・・・。

当然ながら、在庫がない場合はすぐに卸さんや近隣薬局に確認を取りますが、どうしても入手できない場合は処方医にその旨伝えます。

しかし・・・

言い訳してないで何とかして用意しなさい。

薬のある薬局に患者さんを行かせて。

こういう風に言われたことが多少なりとあります。

また稀ではありますが、処方不備、日数制限のある薬・漫然処方注意の薬などの照会では機嫌を損ねる医師もいらっしゃいます。

あくまで稀なケースなので、大半の医師は親切に対応して下さると思います。

 

プロトコール

疑義照会は診察の合間に対応することになるため、ストレスがかかる部分かと思います。

そのため医師・薬剤師の双方の負担を軽減するため、病院-薬局間での取り決め(プロトコール)を結ぶことがあります。

当薬局でも門前病院とその他2つの病院でプロトコールを結んでおります。

プロトコールは「この処方の場合は、このように対応して良いですよ」といった予め決めたルールを守れば疑義照会をせず、報告書を送ることで対応できるものになります。

当薬局-門前病院では、

  • 先発品→先発品への変更(併売品への変更など)
  • 後発品→先発品への変更(患者希望・出荷調整品などの場合)
  • 残薬調整による日数変更
  • 外用剤の使用部位記載漏れ(患者さんに聞いて医師指示された部位での処理)

などが疑義照会なしで、後から報告書を送ることで対応可となっています。

報告書を書くことになるので多少面倒な部分はありますが、患者さんを待たせる時間を減らせるのがありがたいです。

 

おわりに

いかがでしたか?

みなさんの中でも同じような経験のある方はいらっしゃるかもしれませんね。

医師も人間なので、話し方によって機嫌を損ねてしまうことはあるかと思います。

「念のためのご確認でしたが・・・」

「よく使われる処方ですが・・・」

・・・などのクッション言葉をなるべく使うようにしています。

あまりトラブルになることはないですが、なるべく医師を刺激するような言葉は避けた方が良いですね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。

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