みなさん、こんにちは!りつです!
薬局・病院の薬剤科ではたくさんの薬を調剤しますよね。
学生時代は分包紙の折り方を教わった記憶がありますが、薬剤師になってから実際に使ったことはありません。
現実的にも今後使う機会はないと思います😅
どの薬局さんでも一包化や散剤の混合調剤などをする際は、分包機を使うのが一般的かと思います。
ほぼ必須と思われる機具もあれば、必須ではないけれどあると便利という機具もあります。
上司に聞いた話では、当薬局は比較的設備が整っているらしいです。
地域差もあると思いますので、「うちにも全部そろっているよ!」という薬局さんもあるかと思います。
今回は当薬局で採用している機具たちをご紹介できればと思います。
※メーカーの回し者ではないので、機具の商品名や写真は伏せることにします😅
鑑査機
正確には薬剤鑑査支援システムという名前の機具です。
見た目は散剤鑑査機にすごく近いです。
この機具は包装されている錠剤や散剤、外用薬のチェックができます。
これはかなりミスを防げて助かります。
新人時代はこの機具がなく目視でのチェックでしたので、薬の数を間違えて患者さんに謝罪のご連絡と不足分のお届けをするなどの対応を取ったことが何度かありました。
それがこの機具を導入してからは薬自体の取り間違い、総数の間違いなどがなくなりました。
使い方もシンプルです。
①薬のバーコードを読み込む(薬の照合)
②天秤に載せる(重量から総数のチェックができる)
ただこれだけです。
あまり時間がかからずに、客観的なダブルチェックができるというような感じでしょうか。
とても便利ですが機械も絶対ではありません。
そのため、念のため間に他の薬が間違って挟まっていないかの確認もします。
またどうしても±1錠の誤差が起こり得るため、10錠ずつの所、間に9錠で挟まっていないかなどの確認もしています。
さらに製薬メーカーのデザイン変更・バーコード変更に影響を受けます。
薬の包装が小さくなった場合、重量も小さくなるため、重量鑑査でエラーになることもありますので、こまめに設定し直さなければなりません。
また薬のバーコードが変わってしまった場合も登録し直さなければなりません。
さすがにこれは機械が悪いわけではないので目をつぶるしかありませんね😅
良い点と少し悪い点と申し上げましたが、薬自体の取り間違いがなくなるという点で精神的にかなり安心できます。
鑑査機があるのが普通になってしまったので、導入していない他店舗へのヘルプは心配で仕方ないです😅
ただその店舗は鑑査機がない分、トリプルチェックまでしているのでミスは少ないとは思いますけどね。
薬剤師が1人のみの薬局さんでは、鑑査機は特に恩恵が大きいのではないかと思います。
粉砕機(スマッシャー)
錠剤の粉砕指示のある処方箋が来たことがみなさんもご経験があるかと思います。
その際は乳鉢と乳棒を使って粉砕しますよね。
ただ中には、糖衣錠など固くて粉砕しにくい錠剤もあります。
薬局によっては全て乳鉢・乳棒で仕上げるという所もあるかもしれませんが、糖衣錠は厳しいですよね・・・。
私が入社した当初はなぜかミキサーを使っていました。
粉砕後も、なぜか急須にはいっている茶こしでふるいにかけていました。
「そんなのでいいの?」と疑問でしたが問題になったことはないようです。
・・・それから数年が経過しました。
さすがに古くなってきたため、ミキサーを買い替えることになりました。
ものすごい数の錠剤を粉砕しなくてはならない患者さんが1人いらっしゃるのですが、さすがに普通のミキサーだと大変だということでしっかりとした粉砕機を導入することになりました。
そのタイミングでちゃんとした「ふるい」も買うことになりました。
粉砕機は50万円、ふるいは2万円くらいだったようです(お高いですね😅)
ただやはり高いものは違いますね。
一度できれいに粉砕できるようになったため、時間もあまりかからなくなりました。
今では、これなしでの粉砕は考えたくないですね(笑)
除包機
錠剤分包機にはカセットが入っていて、適宜錠剤を充填しますよね。
その際、バラ包装の薬ではそのまま充填できてとても楽です。
ただバラ包装のない薬もたくさんあるので、それを充填する際はどうしてもPTP包装のものをむいて入れなければなりません。
以前はミシンのような形の除包機を使ってむいていました。
それを使っても多少時間がかかり、少しやわらかめの錠剤では割れてしまうという欠点がありました。
そのため比較的新しめの除包機を導入することになりました。
手動と自動の2種類があるようでしたが、自動のものを選んだようです。(20万円くらいの差があったようです)
錠剤のPTP包装の横幅に合わせて除包機のレバーを回して調節し、セットするだけです。
1シートあたり2~3秒で除包できますし、次々に上からセットしていけば良いので楽です。
ただカプセル剤に関してはやわらかすぎて潰れるため使用できません。
また、10錠、14錠シートであれば除包できるのですが、21錠シートでは除包できません。
またリボトリール錠などのようなヒート包装の錠剤も除包できません。
どうしても制限はありますが、PTP包装の錠剤が楽に早く除包できるので、忙しい時には特にありがたみを感じますね。
軟膏練り機
この機具はかなりメジャーかと思います。
私が入社時にはもうすでにありました。
軟膏やクリーム剤がよく出る薬局さんではかなり使われていると思います。
使い方は超簡単です。
軟膏つぼに軟膏orクリームを入れて、練り機にセットしてボタンを押すだけ。
これだけで1分ほどでできあがります。
仕上がりも美しいですね。
当薬局では、単剤でチューブでそのまま出せないg数での処方の際も、軟膏つぼに量り取った後に軟膏練り機で仕上げています。
欠点としては、極少量では練り機にセットできないという所でしょうか。
一度だけ皮膚科の処方で、全量5g程度の軟膏の混合処方が来たことがあり、軟膏板とヘラを用いて混合したことがあります。
それ以外は全て練り機を使っています。
練っている間に他の調製などもできるので、やはり文明の利器はすごいです。
マイク
当薬局にはご高齢の患者さんが多くいらっしゃいます。
そのため耳が聞こえにくいという方も多いです。
声を張り上げてお話してようやく少し聞こえるという方も割と多い印象です。
また患者さんの中にはものすごく小声で話す方もいらっしゃいます。
かなり聞き取りにくいです💦
コロナ対策のために丈夫なアクリル板を設置しているため、双方向で声が少し届きにくくなっているのも問題かと思います。
そのため今年からマイクを導入することになりました。
双方向性なので、患者さん側と薬剤師側にマイク・スピーカーがついているため以前よりも少し会話が楽になった気がします。
マイクなので仕方ないのですが、スピーカーを大きめにすると「キーン」というハウリングが起こりやすいのが欠点ですね。
消音機
上でマイクをご紹介しましたが問題が発生しました。
薬を取りに来た施設の看護師さんから、待合室まで他の人の服薬指導の内容が聞こえてくるというものでした。
患者さんが聞こえないことには服薬指導の意味がありませんので、どうしても聞こえるように声のトーンが大きくなってしまうことがしばしばあります。
これは他の薬局さんでも直面してしまう問題かもしれないですね。
プライバシーの観点から見ても対策しなければならないので、早急に改善策を考えました。
すると消音機というものがあるようなので、色々試してみることになりました。
ものによっては大きすぎて邪魔になるもの、ザーっという不快な音がずっと鳴っていて嫌だと言われるものもありました。
最終的に小型で、不快な雑音がない(少しかわいらしい音が鳴っています)ものを導入することになりました。
どの程度の防音効果なのか試してみたところ、すぐ近くの真後ろの席に座り、かなり聞き耳を立てればかすかに声が聞こえるレベルでした。
相当耳が良く、意識的に他人の話を聞こうと思っている方でない限りはプライバシーは守られるかと思います。
それから苦情が出たことはありませんでした。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
もしかすると、みなさんの薬局ではもっと良い機具を使ってらっしゃるかもしれませんね。
他店舗では充填ミス防止機能がついた分包機があり、ヘルプに行った際、うちにもほしいなあと思うことがよくあります。
便利な機具は欲しくなるとキリがないので、費用対効果で検討する必要があるかと思います。
現状、当薬局ではさらに新しい機具を導入するのは厳しいので、今ある機具を大事に使っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。