今回は宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」の書評です。
成瀬シリーズ第2作目となります。
※「成瀬は天下を取りにいく」の続編となりますので、そちらから読んでいただくことをおすすめします。
本書の概要
- 作品名 :成瀬は信じた道をいく
- 著者 :宮島未奈
- 出版社 :新潮社
- 出版日 :2024年1月24日
- 頁数 :208ページ
- ジャンル:連作短編集、青春小説
あらすじ
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
読み応え、ますますパワーアップの全5篇!
新潮社より引用
感想
本作は成瀬が高校生3年生~大学1回生までのお話です。
大学進学の際、親友の島崎が東京へ引っ越すことになり、さすがの成瀬も動揺してしまいます。
それでも年に何度か滋賀に戻り、ゼゼカラとして活動を続けるなど友情が続いていることが微笑ましく感じました。
また今作では、小学生のファン、心配性で少し頼りない父、クレーマー主婦、観光大使の相方といった異色の人達が登場し、徐々に絆を深めていきます。
自由奔放な成瀬ですが、突然失踪した時にはみんなが必死になって捜索するような友情が芽生えていました。
周囲からは変人と思われ、島崎以外に友人と呼べる存在がいなかった成瀬にとって大きな変化であると思います。
心配してくれる人がいることは幸せなことですね。
「200歳まで生きる」という目標を掲げていた成瀬なので、まだまだ成瀬あかり史は序盤に過ぎず、さらなる活躍を期待したいです。
総合評価
全作同様、難しい表現が少なく、サクサクと読み進められます。
成瀬は懲りもせず、スケールの小さなことから大きなことまで色々なことに挑戦していくのが楽しめます。
また島崎の他にも色々な人を巻き込んで、友情を深めていくのが微笑ましいです。
おすすめする読者層
10~20代に特におすすめです。
成瀬が高校3年生~大学1回生までの出来事のお話ですので、同じ年代の人にはもちろん、20代以降の方でも楽しめると思います。
全作同様、かなり読みやすいので、活字が苦手な人にもぜひ読んでいただきたいです。
まとめ
宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」の書評でした。
「成瀬シリーズ」第2作目となりますが、挑戦することのスケールが大きくなっていながらも、地域貢献の気持ちが根底にあって余計に応援したくなります。
さらなる成瀬の活躍が気になり、次回作が待ち遠しく感じます。
本書が気になった方はぜひご一読ください。
今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは。