今回は宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」の書評です。
本書は成瀬シリーズの第1作目です。
第39回「坪田譲治文学賞」、2024年「本屋大賞」をそれぞれ受賞されています。
※「成瀬は信じた道をいく」は第2作目となりますので、本書を先にお読みいただくことをおすすめします。
本書の概要
- 作品名 :成瀬は天下を取りにいく
- 著者 :宮島未奈
- 出版社 :新潮社
- 出版日 :2023年3月17日
- 頁数 :208ページ
- ジャンル:連作短編集、青春小説
あらすじ
中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!
話題沸騰、圧巻のデビュー作。
新潮社より引用
感想
主人公の成瀬あかりは、幼少期から優秀で物怖じせず我が道を行くような女の子です。
成瀬が中学2年夏~高校3年夏までの出来事を描いた作品となっています。
普通の10代では考えられないような青春を全力で謳歌しているのが面白くもあり、応援したくなる内容になっています。
また、とても滋賀愛があふれている作品だと感じました。
西武大津店、ミシガンクルーズなどローカルネタが多いですが、それを面白く落とし込めるのがすごいと思います。
作中でも滋賀県出身の西川貴教さんの名前が何度か出てきますが、相当リスペクトされているんだと思います。
総合評価
難しい表現が少なく、まるでマンガを読んでいるように軽快に読み進められます。
成瀬は次々に突拍子もないことに挑戦するため、意外な事の連続で読者を飽きさせません。
ギャグ的な面白さもありながら、親友の島崎との友情にも心温まります。
おすすめする読者層
10~20代に特におすすめです。
成瀬が中学2年生~高校3年生のお話ですので、同じ年代の人にはもちろん、20代以降の方でも楽しめると思います。
また、かなり読みやすい本なので、活字が苦手という人にもぜひ読んでいただきたいです。
まとめ
宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」の書評でした。
型破りで予想外な行動を取る成瀬の青春がとても面白く描かれており、「次はどんなことをするんだろう?」と期待せずにはいられません。
西川貴教さん、友近さん、辻村深月さん、三浦しをんさんなど、多くの著名人も本書の推薦コメントをされています。
また海外翻訳もされ、国内だけでなく世界で注目されている作品になっています。
2024年12月9日に漫画化もされましたので、アニメ化や映画化などにも期待したいですね。
本書が気になった方はぜひご一読ください。
今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは。