適応追加された薬

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こんにちは、りつです!

今回はちょっと真面目なお話になります。(いつもふざけているわけではないですが😅)

薬は、勝手に作ったり、売ったり、買ったり、使ったり・・・ということができません。

しかるべき手順を踏んで、許可が得られて、初めて患者さんの元にいくような形になります。

今回はその中でも、薬の「適応」についてお話できればと思います。

 


 

まず、ジェネリック医薬品(以下GE)は、

   先発品(新薬)の特許期間が終了

 → 先発品と品質や効果、安全性が同等であることを証明する試験をする

 → 厚労省がOKを出す

 → 製造・販売

という流れで流通されます。

ただし、適応の問題が生じる場合があります。

適応とはざっくり言うと、厚労省が

「この薬は、この病気に、この量だけ使うことはOKですよ」

と決めたものです。

このルールを破ってしまうと適応外処方とされ、保険を使えなくなります。(例外もありますが)

 

ただ、先発品では認可された適応でも、GEも同じ適応を申請し取得しなければ同じ疾患に対して使えなくなってしまいます。

また、製薬メーカーによっても適応に差が生じる場合もあります。

例えば、先発品のエビリファイ、そのGEのアリピプラゾール「サワイ」と「アメル」を見てみると以下のようになります。

効能又は効果エビリファイ錠・散アリピプラゾール錠「サワイ」アリピプラゾール錠・散「アメル」
①統合失調症
②双極性障害における躁症状の改善
③うつ病・うつ状態
(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
〇※〇※
④小児期の自閉スペクトラム症に
伴う易刺激性
〇※〇※

※1mg、3mg、6mg、12mgのみ適応

アリピプラゾール「サワイ」では規格が1mg/3mg/6mg/12mg/24mgと全てあるため先発品と同じように全ての適応症に使えます。

ただ散剤がないので、散剤での処方が来た場合は他の「アメル」などのメーカーで調剤する必要がありますね。

一方「アメル」では1mgの規格がなく③、④に適応がありません。

このようにメーカーによっては、一部適応を取っていない、複数の規格・剤形を作っていないという場合もあります💦

一般名処方が増えてきたため、適応症に合わせて調剤をしやすくはなってきたのですが、薬の供給不足で納品されにくいものもあるのが現状です。

できればGE全てに同じ適応、規格・剤形があると助かりますね・・・。

 


 

9/8にMRさんから連絡がありました。

トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」に心不全の適応が追加されたとのこと。

よかったー😊

**4.効能又は効果

  〈トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」〉

    〇ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留

    〇ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留

  〈トルバプタンOD錠15mg「オーツカ」〉

    〇ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留

トルバプタンOD錠7.5㎎「オーツカ」/トルバプタンOD錠15㎎「オーツカ」添付文書より

 

トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」の発売自体は6/17からでした。

ただこの時点では当薬局は採用を見送っておりました。

というのも、この発売を受けて上司が門前の病院に相談をした際、

「うちでサムスカ(先発品)を出しているのは心不全の患者さんだけなんだよね」

と言われてしまったためです。

そのため適応のないGEは使えず、やむなく先発品のサムスカを出していました。

 

心不全治療の研修会などでサムスカの有効性をお聞きする機会は多いですが、やはり治療効果の高い薬だと思います。

その分かなり高額な薬(7.5mgで1錠1084.7円)ですけどね💦

患者さんの中でもサムスカが処方される方では

「薬代が高くて大変なんだよね」

と言われることがしばしばあります。

製薬メーカーでは新薬の開発に、数百億円の費用と十数年の時間がかかると言われています。

そのため少し高額な薬があるのは仕方ないのかなと思いますね💦

そうでないと、製薬メーカーが新たに薬の開発ができなくなってしまいますしね・・・。

でも今回、心不全にも適応追加になったため、費用面で不安に感じてらっしゃる患者さんの負担が少し軽くなるので嬉しく思います。

 

また少し違う話ではありますが、先発品に新たに適応が追加される場合もあります。

有効性が示され、厚労省から認可されれば新たな適応症が増えていくことになるため、治療のバリエーションを増やしていけるのが利点ですね。

 

適応追加は基本的にポジティブなものですが、適応症は先発品とGEで差が生じる場合があるため、しっかり添付文書を確認しなければならないですね。

毎年新しくGEが発売されますので、今後も気をつけて見ていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

また更新していきますので、他の記事もお読みいただけると嬉しいです。

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