今回は住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」の書評です。
2016年「本屋大賞」第2位を受賞され、250万部を超える大ベストセラー作品です。
2017年に実写映画化、2018年にアニメ映画化されました。


本書の概要
- 作品名 :君の膵臓をたべたい
- 著者 :住野よる
- 出版社 :双葉社
- 出版日 :2015年6月19日
- 頁数 :270ページ
- ジャンル:青春小説
あらすじ
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。
タイトルは「共病文庫」。
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。
読後、きっとこのタイトルに涙する。
デビュー作にして2016年本屋大賞・堂々の第2位、75万部突破のベストセラー待望の文庫化!
双葉社より引用
感想
一見するとショッキングなタイトルですが、物語は「死」をテーマにしながらも、生きることの意味や大切さを深く考えさせられました。
本作では、無愛想で内向的な「僕」と、明るく無邪気な「桜良」の対話が物語の中心となっています。
性格が正反対の二人が互いに影響を与え合う過程が丁寧に描かれており、物語が進むにつれて「僕」が成長していくところが青春小説ならではの見どころだと感じました。
作中では、桜良が「共病文庫」と称した日記を綴っています。
天真爛漫な彼女ですが、本当の彼女の心情を知る鍵となる重要なアイテムです。
この日記を通じて、彼女の死生観や「僕」への想いが深まっていく点が、甘酸っぱくも切ないものとなっています。
また、ラストでは期待を裏切るような展開に驚かされました。
悲しい部分もありますが、最後には感動で胸を満たしてくれるような非常に繊細で素敵な作品だと感じました。
総合評価
270ページとちょうどいいボリュームです。
また読書が苦手な方でも読みやすいシンプルな文体でありながら、感情の機微を巧みに描写している点が素晴らしいです。
「膵臓をたべたい」という恐ろし気なタイトルですが、ちゃんとタイトル回収もされ、感動できる内容になっています。
おすすめする読者層
- 青春小説が好きな人
- 生と死に関するテーマを深く考えたい人
- 心に残る感動的な物語を求めている人
まとめ
住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」の書評でした。
映画化、アニメ映画化もされており、多くの方の心に刺さる作品であることがうかがえます。
少し残酷というか切ない部分もありますが、感動できる作品なのでぜひご一読いただけると幸いです。


今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは。