みなさんこんにちは。りつです。
今回は薬剤師(薬局・病院どちらも)の方向けの記事となります。
この記事では、
- 重複投与にならないかどうか知りたい
- くわしい薬の情報を知りたい
- 粉砕してもよい薬なのか知りたい
- 軟膏・クリームの混合可否について知りたい
といった方に役立つ本をご紹介します。
鑑査・勉強に役立つ本
今日の治療薬
本書は医薬品を薬効ごとに分類されています。
これがかなり見やすく分かりやすいです。
章の最初では薬効群の解説もされているため、薬の勉強にもなります。
処方薬の鑑査時に重複投与になるか否かが即分かるので、かなり重宝します。
ただしさすがに本書の新版発売後、新薬が登場してきた場合は添付文書の作用機序等から判断する必要があります。
また、発売後に添付文書改訂(例えば併用禁忌の追加・削除など)もあり得るため、最新の添付文書を参照する必要はあります。
この辺に関しては「紙の本」としての宿命になるため、仕方ない部分ですね。
薬剤師には鉄板の本となりますので、毎年新版を購入されている方も多いと思います。
学生時代に本書を買って勉強している人もいたくらいなので、薬学生にもおすすめできる本と思います。
また新人薬剤師さんでは、職場に共用で置いていても、勉強のために初年度は自分用に買って勉強することをおすすめします。
治療薬マニュアル
本書は医薬品の情報がかなりの量詰め込まれています。
警告・禁忌・副作用なども全て記載されています。
情報が多い分、少し見にくい部分はありますが、慣れると情報収集・勉強の上ではとても役に立つ本です。
少しとっつきにくい適応外使用の情報も載っているのが個人的には特に勉強になると感じています。
これによって処方意図が何なのかという判断材料にもなると思います。
※ただし公知申請で許可されているもの以外に関して、適応外処方されている場合は疑義照会が必要です。
ただ、頻繫に持ち歩く場合などは注意した方が良いかもしれません。
学生時代、毎日のように持ち歩いていたら背表紙が外れてしまったことがありました。
分厚くて重い分、負荷がかかりやすいのかもしれませんね。
現在は机の上から持ち出さないようにしているため、背表紙が外れたことはありません。
内服薬の粉砕の可否がわかる本
錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック
本書は錠剤の粉砕、脱カプセルの可否について書かれています。
粉砕・脱カプセルができるかどうかだけでなく、その根拠となる試験結果についても書かれています。
完全に粉砕可であれば問題ないのですが、「条件付き可(本書では△と表記)」の場合にするべき対策がわかるのも助かります。
例えば、「光に不安定」のため条件付き可であれば遮光袋に入れるなどの対策を取れます。
※注意点として、薬価収載されている薬全てが網羅されているわけではありません。
どうしても情報がないものに関してはインタビューフォームを参考にし、それでも判断が難しい場合は製薬会社に問い合わせる必要があります。
薬剤師では一度は嚥下困難な患者さんに対し、「粉砕指示」された処方を見たことがあると思います。
ただでさえ調剤だけで時間のかかる処方ですので、複数ある薬を全てインタビューフォームで調べたり問い合わせたりということはできるだけ短縮したい所です。
そういった忙しい中で素早い判断が求められる我々の環境ではかなりありがたい存在となる本です。
軟膏・クリームの混合可否がわかる本
軟膏・クリーム配合変化ハンドブック
本書は軟膏剤・クリーム剤の混合の可否について書かれています。
特にクリーム剤は絶妙なバランスで作られており、他のものと混ぜることによって配合変化を生じてしまうことはよくあります。
しかし混合してよいかどうかの判断は添付文書などを見ても判断がつきにくいです。
製薬会社へ問い合わせても、ほとんどが他の薬との混合の試験を行っていないため、推奨しないというような解答しか得られないと思います。
そんな現場で悩む我々の救世主となるような本です。
また本書では、「条件付き混合可」のものについても記載があるのがとても助かります。
具体的には、「冷所であれば混合可」「~週間までの期限付き可」などが示されています。
ただし、薬価収載された全ての薬の混合に関して網羅しているわけではないことをご了承下さい。
それでもエビデンスが少ない中で、判断材料を示してくれるような本書には本当に助かっていますので自信を持っておすすめできる一冊です。
おまけ
ヤクチエ添付文書
書籍ではないのですが、スマホを使っている方では本アプリもおすすめです。
これは最新の添付文書を素早くスマホで確認できるので便利です。
また、一包化の可否、錠剤の分割・粉砕の可否についても記載されているのが親切です。
※「不明」と記載されている薬もあるため、その場合は今回ご紹介した書籍・IF・製薬会社への問い合わせなどによりご確認いただければと思います。
無料でDLできるアプリなのでぜひお試しいただければと思います。
↓リンクを以下に貼っておきます。
まとめ
以下のことに対して、特におすすめの本についてのご紹介でした。
- 重複投与の確認 → 今日の治療薬
- 薬の情報収集・勉強 → 治療薬マニュアル
- 内服薬の粉砕の可否 → 錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック
- 軟膏剤・クリーム剤の混合の可否 → 軟膏・クリーム配合変化ハンドブック
※今日の治療薬、治療薬マニュアルに関しては毎年新版が発売されますが、他2冊に関しては毎年改訂されるわけではありません。
おわりに
いかがでしたか?
かなり便利なので、多くの薬局・薬剤科で必須級となり得る本です。
すでに職場にある場合は問題ありませんが、ない場合は業務の効率化も図れるためおすすめできます。
みなさんのお悩み解決の一助になれれば幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは。